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RPA(Robotic Process Automation)の基礎知識

RPAとは

RPAは、Robotic Process Automationの略です。
人間が操作する決まった手順の動作をそのままさせることにより、定型業務を人ではなくコンピュータに任せることができるので、人はより生産性の高い知識労働に時間をかけることができます。
Excelのマクロをご存じの方であれば、そのマクロをExcelに限らず使えるようにするものと考えればよいかもしれません。

RPAに至るまでの流れ

そもそもコンピュータは昔からプログラムによる自動化が機能の中心でした。
古くはスクリプトとかバッチなどと呼ばれるもので、単機能のコマンドを組み合わせることで高度な処理を実行できましたが、作成にはある程度のプログラミングロジックの理解が必要で、そういった方が苦手な人には作成できないものでした。
また、WindowsなどのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)においては、GUI操作ツールのようなものが出てきてはおりましたが、一般に浸透するレベルにはなっていなかったと言えます。
RPAツールは2008年ごろから出始めているようですが、RPAという言葉を私が聞くようになったのは2015年頃のような気がします。
加速したのは「働き方改革」が言われだしたころからでしょうか。

RPAツールの種類

RPAツールは大きく分けて「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類があります。
サーバー型は自社内の専用サーバー上で動作することから、社内の共通業務などを一括管理できます。
デスクトップ型は個々のPCにインストールして使用する形で、それぞれのPCにおける作業を自動化します。
他のPCで同じ処理を行うためにはそのPCにRPAツールをインストールし、動作手順(シナリオ)を移植する必要があります。
クラウド型はインターネットを経由して、Webブラウザなどのクラウドサーバー上での作業を自動化します。

RPAツールの価格

私がRPAという言葉を聞きだした頃のRPAツールの価格は年間数百万~数千万円くらいだったと思います。
一方でオープンソースのものもありましたが、英語のみで導入のハードルは高かったです。
しかし、ここ数年で一気にRPAツールの価格はこなれてきた感があります。デスクトップ型で1台50,000円/月くらいから導入できるようになってきました。
そして、2021年3月の、Microsoftがデスクトップ型RPAツール「Microsoft Power Automate Desktop」無償提供するというニュースは、大きな衝撃でした。

RPAツール導入時の注意点

「RPAツールを入れれば、すぐに業務改善や生産性向上が見込める」というのは、よくわからずに導入してしまう企業が陥りやすい罠です。
私は毎年Japan IT Weekなどの東京の展示会を見てきておりますが、昔はRPAツール販売主体のものが多かったのですが、最近はRPAツール導入コンサルティングをサービスとして出展している企業が増えてきている印象があります。
RPAツールを導入する際には業務プロセスの明確化やRPAツールを適用する業務の選定などをしっかりと行わなくてはならず、マニュアル(手順)化されていなかったり、属人的になっている業務などがあると失敗することになり、高い導入コストが無駄になってしまいます。
その意味では、Microsoftの無料RPAツールの意義は大きいです。まずはここから始めてみて、問題点などを明確化できれば、投資リスクを抑えられます。

ただ正直、プログラミングの知識がほとんどない方に「Microsoft Power Automate Desktop」は少しハードルが高い印象があります。
その場合は他社のRPAツールなどを検討してみるのもよいかと思います。
とはいえ、プログラミングできない人が使ってみたという形で書かれた本などもあります。そういった書籍を使えば、投資は書籍代のみで始められます。

次回のコラムでは、この「Microsoft Power Automate Desktop」について紹介します。