デスクトップ向けPower Automate(旧Microsoft Power Automate Desktop)とは
Microsoftが無償で提供しているWindows OS上で動作するデスクトップ型のRPAツールです。
Windows10の場合はこちらからダウンロードしてインストールできます。Windows11の場合は最初から組み込まれています。
なお、利用するためにはMicrosoftアカウントが必要です。
RPAとは RPAは、Robotic Process Automationの略です。 人間が操作する決まった手順の動作をそのままさせることにより、定型業務を人ではなくコンピュータに任せることができるので、人はより生産性の高い知識労働に時[…]
デスクトップ向けPower Automateのインストール
ダウンロード後のインストールは普通に指示に従っていけば良いです。
なお、Webブラウザと連携させる場合には拡張機能をインストールする必要があります。
Microsoft Edgeに関してはインストール成功のダイアログで拡張機能をインストールするためのリンクが表示されます。
起動からフロー作成まで
起動後の画面です。デスクトップ向けPower Automateでは、フローという名前で自動化する作業プロセスを登録します。画面にはいくつものフローが表示されていますが、これは私が作成したものなので、最初は何も表示されていません。
この画面で左上の「新しいフロー」からフローを作成します。
好きな名前をつけて「作成」ボタンを押せばフローの編集画面(フローデザイナー)が表示されます。
フローデザイナー画面の説明
①メニューバー
「ファイル」はフローの保存またはデザイナー画面の終了、「編集」は各種編集機能、「デバッグ」はブレークポイントの設定やステップごとの実行などのデバッグのための機能、「ツール」はれこーたー機能や各ブラウザの拡張機能を設定するためにそれぞれのブラウザを開きます。以前のバージョンでは「Webレコーダー」と「デスクトップレコーダー」に分かれていましたが、統一されたようです。「表示」はデザイナー画面の表示関係の設定、「ヘルプ」は各種ヘルプやチュートリアルなどがあります。このメニューの「開始する」「学習」が初学者には役に立つかと思います。
②アクションペイン
さまざまなアクションがグループ毎に分けられています。グループ名左の > をクリックすればそこに含まれているアクションを表示できます。
③ツールバー
フローの保存、実行やレコーダーなどのボタンが配置されています。また、虫めがねアイコンをクリックしてフロー内の検索もできます。
④タブ
「サブフロー」をクリックすると作成したサブフローの一覧が表示されます。規模が大きいものはサブフローとして管理するとフローのメンテナンスがしやすくなります。
⑤ワークスペース
設定されたアクションがリストされます。
⑥変数ペイン
フローで使用するすべての変数が表示されます。なお、「表示」メニューの「UI要素」や「画像」を選択するとこの画面がそれらの表示に変わります。
⑦状態バー
フローのステータスなど各種状態が表示されます。また、デバッグモードで実行する際のアクション間で待機する遅延時間の設定もできます(ミリ秒単位)。
気のついた点など
データのポータビリティ(移植できるかなど)
Microsoftアカウントでログインすることで他のPCでも自分のフローは使用できますが、企業内で活用する際に必須となるインポート/エクスポート機能がないことが気になりましたが、フローを選択&コピーしてメモ帳などにペーストするとフローのプログラムが貼り付けされます。このテキストを他のPCで開いて、コピー&ペーストするとフローが貼り付けられますので、他のPCにも移行はできるようです。
なお、フローのファイルはOneDriveに保存されていますので、これをそのまま他のPCにコピーして使用できるかどうかは試していません。
Excel関係の機能が豊富
Microsoft Officeに含まれているアプリケーションでPower Automateのアクションとしてグループ化されているものはExcelおよびOutlookだけで、Word、PowerPoint、Accessはありません。自動化で一番やりやすく効果の高い部分でもあるので、Excelを活用する業務には活かしやすいです。なお、Excelマクロの実行というアクションもあるので、既存のマクロとの連携もできます。
一方で、それ以外のWindowsアプリケーションの自動化はある程度技術知識がないと難しいかもしれません。