前回のコラムでは基本機能について紹介しましたので、今回は前回紹介しなかった機能およびコラボ機能について紹介いたします。
共有(Share)
MURALでは、Workspace, Room, mural単位で共有設定を行うことができます。共有はリンクによる発行またはメールアドレスでの直接招待によります。追加されたメンバーに対してはそれぞれ機能ごとの権限設定が行えます。
なお、メンバーとして追加する場合、そのメンバーはMURALのアカウントを持っている必要があります。
共有内容 | メンバーへの権限可能設定項目 |
---|---|
Workspace | ルームの作成(Create rooms) テンプレートの発行(Publish templates) |
Room | muralの作成(Create murals) ルームの複製(Duplicate this room) メンバーの招待(Invite people) ルーム管理者(Room admin) |
Mural | 編集権(Editing rights) muralのエクスポート(Export this mural) muralの複製(Duplicate this mural) メンバーの招待(Invite people) オーナー(mural owner) メンバーの削除(Remove user) |
ビジターへの共有
ドキュメント(mural)の共有においては、ビジターとして招待することでアカウントを持っていなくても閲覧/編集可能です。
「Share」ボタンを押して表示されるダイアログで Visitor link タブを選択し、「Copy link」でリンクアドレスをクリップボードにコピーできます。このとき、閲覧のみにするか編集権限も与えるのかを選択できます。
ファシリテート権限(Facilitator Superpowers)
Muralの共有でメンバーに与えられる編集権(Editing rights)には、閲覧、編集以外にファシリテートという権限を設定できます。ファシリテート権限を持っているメンバー(ファシリテーター)には、以下の権限が与えられます。
- タイマー(Timer)
- メンバーの呼び出し(Summon people)
- アウトラインの管理(Manage the outline)
- スーパーロック(Super lock)
- キャンバスサイズと背景色の変更
- お祝い(Celebrate)
- 全員のカーソルを隠す(Hide everyone’s cursors)
- プライベートモード(Private mode)
- レーザーポインター(Laser pointer)
基本的にコラボレーション時に有用な機能です。
コラボレーション用機能
①投票セッション(Voting session)
参加者に対して投票を行う機能です。ファシリテーターのみが開始できます。一人当たりの投票数、誰が投票セッションを終わらせるか、何に投票できるか、どこに投票できるかなどを設定できます。さまざまなオブジェクトを投票対象にできるというのが非常にユニークと思います。
②プライベートモード(Private mode)
プライベートモードに入ると、その間に記入した内容がほかの人に隠されます。プライベートモード解除時にはその内容が公開されます。誰がその編集を行ったかを公開するかどうかは開始時に選択できます。ファシリテーターのみが開始できます。
③タイマー(Timer)
タイマー機能です。[-][+]で1分単位の増減ができます。1分未満の秒を設定したい場合は直接入力になります。ファイりてーたーのみが使用できます。
④チャット(Chat)
チャット機能です。特に説明は不要でしょう。
⑤コメント(Comments)
コメント一覧を表示します。コメントはオブジェクトを選択するかキャンバス上の任意の位置でマウスを右クリックして「Add comment」をクリックすることで入力できます。選択した位置にはその場所に入力されたコメント数とともにマークが表示されます。メニューにあるコメントアイコンをクリックすると登録されているすべてのコメント一覧が表示されます。確認したいコメントをクリックすると、コメントが入力されたキャンバス位置がフォーカスされます。
コメントが入力されると、その内容がオーナーにメールで通知されますので、全員が一斉にログインしなくとも空いた時間にコメントを残しておく、という使いかたもできそうです。
登録後のコメントは「open」状態ですが、チェックアイコン「解決済みにする(Make as resolved)」をチェックすることで「解決済み(resolved)」にできます。
⑥アクティビティ(Activity)
いわゆる操作ログです。誰がどういう操作をしたかがわかります。アクティビティ一覧のうち、オブジェクトをクリックするとそのオブジェクトがフォーカスされます。コメントに関しては「返信する(Reply)」「閲覧する(View all)」をクリックすることでコメント箇所がフォーカスされ、返信や閲覧ができます。
⑦アウトライン(Outline)
アウトライン機能はMURALを最も特徴づける機能の一つと言えます。オブジェクトを選択した状態でマウス右クリックから「アウトラインに加える(Add to outline)」をクリックするとその場所をアウトラインとして加えることができます。
アウトラインは一覧として表示され、クリックすることでその場所をフォーカスさせます。アウトラインは以下の機能を持ちます。
名前の変更(Rename) | アウトラインのタイトルを変更します。 |
指示の編集(Edit instructions) | 補足説明、指示などを編集します。 |
このステップをリンク(Link to this step) | このステップのリンクを生成します。生成されたリンクを共有者などに送ることで、リンククリックするだけでこのステップがフォーカスされた状態になります。 |
アウトラインから削除(Remove from Outline) | アウトライン一覧から削除します。 |
アウトラインはプレゼンテーションモードにすることでPower Pointのプレゼンテーションのような使いかたが可能です。新規にmuralを作成するときにはテンプレートを使用することができますが、登録されているテンプレートは使いかたなどがアウトラインで設定されていますので参考にしてみましょう。(すべて英語ですが)
⑧探す(Find)
「探す(Find)」はオブジェクトのフィルタリングのような機能です。条件に合わないオブジェクトは淡く、条件に合うオブジェクトはそのまま表示されるので、巨大なmuralから特定の付箋を探すときなどに利用できます。
小技(Tips)
最後に、いくつかの便利な小技を紹介します。
複数行テキストのコピペで一括付箋化
改行で区切られたテキストをMURALにコピー&ペーストすると、各行ごとに付箋化されて配置されます。画像はExcelからのコピー&ペーストです。すべての付箋は一つのGrid Area内に配置されます。
Power Pointのスライドもスライドごとにコピー&ペースト可能
Power PointのスライドもスライドごとにコピーしてMURAL上でペーストすればそのまま貼り付けられます。アウトライン機能と組み合わせることで、Power Pointを使用せずにプレゼンテーションすることができます。
いかがでしたでしょうか。次の記事ではいよいよZoom連携アプリとしてMURALを使用する方法についてご紹介いたします。