アイディアワークやコラボに使用できるおすすめツール MURAL ① [入門編]

MURALとは何か

ひと言で言うと「アイディアワークや思考の整理などに使えるオンラインホワイトボードツール」です。オンラインで使用でき、コラボレーションツールとしての紹介が多く、グループやチームでの使用することが多いように思いますが、一人(単独)でも十分に活用できるツールと思います。
MURALは2020年8月に投資家から1億1800万ドルの投資を受けました。
日本語化されていないため、まだ知名度はあまり高くないようですが、「Muralとは」で検索すると日本語の記事も結構出てきます。

今回私はZoom連携アプリの一覧から見つけました。

MURALの特長

リアル会議では、付箋などを使ったグループワークなどがありますが、MURALはそれをオンラインで実現しています。また、WordやExcelなどにあるような編集機能や豊富なテンプレートライブラリを持たせています。「付箋」が基本にありますが、それらをグルーピングしたり整列させたりすることが自由にできます。

プラン&料金について

プラン Free Team+ Business Enterprise
価格 無料 1人あたり月額$9.99 1人あたり月額$17.99 問い合わせ

フリーで使用できる機能

  • 5 murals
  • 無制限のメンバー
  • すべてのビジュアルコラボおよびファシリテーション機能
  • すべてのテンプレートライブラリおよびメンバー作成のカスタムテンプレート
  • muralへのワンクリックでのビジター招待
muralとはドキュメントの単位です。ExcelでいうところのBookと同じように考えればよいと思います。

登録できるmuralの数以外はほぼ制限がないと言えます。(もちろん、上位版でなければ使えない機能はありますが)
muralを知識資産として蓄積していこうとすると5muralというのは少ないですが、Zoomなどを利用したコラボレーションツールとして使用するだけならFree版でも十分に活用できます。

登録(サインアップ)

公式ページ(mural.co)から登録できます。Zoom連携アプリでMURALを使用する場合もサインアップは必要なので、利用を検討している方は登録しましょう。なお、gmailアカウントがあれば連携サインインが可能です。

アカウントを作成すると、チュートリアル的なものがたびたび出てきます。すべて英語ですのでちょっとやっかいかもですね。

MURALの使いかた

ドキュメントの構造

MURALのアカウントを作成すると、「ワークスペース(Workspace)」がひとつ作成されます。ワークスペースを複数作成するにはEnterprise版の契約が必要です。ワークスペースには複数の「ルーム(room)」を作成することができます。アカウント作成時には「(作成時の名前)’s room」というOpen Roomができています。Private Roomを使用するにはTeam+プラン以上の契約が必要です。
フリープランでは5つまでしか作成できないため、最初のうちはあまり気にする必要はありません。
新たにドキュメントを作成する場合はダッシュボードの「Create mural」ボタンから作成します。

MURALのキャンバス(Canvas)と基本機能

コラボに関する機能については次の記事で紹介します。ここでは基本的な編集機能について紹介します。
なお、操作はパソコン(マウス)使用の場合で記載しています。トラックパッドやタブレットの場合は少し変わってきます。

①ダッシュボードに戻る(Back to dashboard)

ダッシュボードに戻ります。MURALのデータは逐次保存されるため、保存などの操作はありません。

②テキスト(Text)

1行テキスト(Text)、複数行テキスト(Text Box)、コメント(Comment)と3タイプの付箋(Sticky Note)があります。
指定したいタイプのアイコンをドラッグアンドドロップすることで画面に配置されます。

なお、キャンバスでマウスをダブルクリックするとそこに付箋が配置されます。そのときの付箋は一番近くにある付箋と同じものになるようです。付箋の大きさ、フォントの大きさ、ボーダー色や背景色、テキストフォントなどはテキストオブジェクトを選択した際表示される編集パネルで操作します。キーボードテキストではなく手書き(Draw)にスイッチすることもできます。また、ほかのURLへのハイパーリンクも設定することができます。

③図形とコネクタ(Shapes and connectors)

オブジェクトとオブジェクトをつなぐコネクタや基本図形を配置できます。コネクタを選択するとマウスがオブジェクトの上にかかったときに各辺の中央にガイドが表示されます。コネクタの配置はガイドに従う必要はありません。(隅や内部などにも設定できます)

配置後は線の色(Stroke color)、線種(Stroke style)、始点と終点の矢印の有無(Change tip)、反転(Change direction)、線の太さ(Stroke width)、ラベルの追加(Add a label)などが行えます。
図形はアイコンを選択すると直ちに配置されます。図形の背景色(Background color)、線の色(Border color)、線の太さ(Border width)、線種(実線[solid]or点線[dashed])や位置、大きさなどは配置後に自由に変更できます。(なお、図形として配置したものを後から付箋にも変更できます)

④アイコン(icons)

ドラッグアンドドロップでアイコンを配置できます。検索ボックスから検索キーワードで候補を絞ることができます。なお、キーワードは日本語を認識しません。

⑤フレームワーク(Frameworks)

フレームワーク内に配置されているオブジェクトはフレームワークオブジェクトを移動する際に一緒に移動させることができます。また、拡大縮小時には内部のオブジェクトも同時に拡大縮小されます。なお、WordやExcelの図形にあるグループ化とは違います。(グループ化の機能はMURALにもあります)

Freeform Areaの場合はエリア内のオブジェクトは自由に配置されますが、 Grid Areaの場合は左上方向に吸着(整列)して配置されます。Grid Areaの高さは内部に配置されたオブジェクトにより自動的に調整されます。幅は変えることができ、幅に応じてオブジェクトは自動的に再配置されます。

フレームワークにはさまざまなアイディアワークに使えるものが用意されています。

フレームワークにはタイトルが自動的に配置されています。タイトルのフォントサイズの大きさやありなしは変えられますが、フォントや色は本原稿執筆時点では変えられないようです。

⑥画像(images)

検索ボックスでキーワードを指定するとインターネット上にある画像を検索して表示してくれます。「import images」を選択した場合はインポート用の選択ダイアログが表示されます。

⑦コンテンツライブラリ(Content Library)

コンテンツライブラリに登録されているオブジェクトを画面に配置します。コンテンツライブラリへの登録は、オブジェクト(複数も可)を選択し、マウスを右クリックして「コンテンツライブラリに登録する(Save to content library」を選択するだけです。

エクスプローラーなどから直接画像ファイルをキャンバスにドラッグアンドドロップすることでもインポートは可能です。

⑧ファイル(Files)

ファイルを読み込んで配置します。サムネイルが表示可能なものはサムネイルが表示されます(Word、PDF、画像ファイル等)が表示できないものはアイコンが表示されます。ファイルオブジェクトをダブルクリックするとブラウザで元ファイルを表示しようとします。(表示できないものはダウンロードされます)

エクスプローラーなどからファイルをキャンバスにドラッグアンドドロップすることでもインポートは可能です。

⑨描画(Draw)

Drawを選択すると、上の画像のような描画モードに入ります。マウスのドラッグで自由に線を引くことができます。

描画モードに入ってから終了(Done Drawing)するまでに書かれた描画内容がオブジェクトになります。

⑩muralの操作

「Create mural」で新規にキャンバスを起ち上げた時のmuralの名称は「Untitled mural」です。このテキストを選択するとテキストがハイライトするので、名称を変更できます。ここでは日本語も使用できます。上の画像はプルダウンを選択したときに表示されるメニューです。名称から機能は予測できると思いますが、一応記載しておきます

お気に入りにする(Add to favorites)/お気に入りから外す(Remove to favorites)
muralにお気に入りマークを付けます/外します。ダッシュボードでお気に入りマークmuralの一覧表示をしたときに、「Your favorite murals」の欄にお気に入りマークのついたmuralだけをリストされます。
muralをシェアする(Share mural)
muralを共有します。この機能については次のコラムで解説します。
muralをエクスポートする(Add to favorite)
muralを画像もしくはPDFとして書き出します。ダウンロード用のリンク(ダウンロード期限あり)がメールで送られてきます。
設定(mural settiings)
muralの各種設定(名前、背景色、キャンバスのサイズ、ビジターのアバター、タイマーのサウンド)を行うことができます。
メンバー(mural members)
muralにアクセスできるメンバーを管理します。
テンプレート化(Publish as template)
muralをテンプレートとして登録します。
複製する(Duplicate mural)
編集中のmuralを複製します。
検索(Search for murals and rooms)
入力したキーワードを含むmuralやroomを検索します。なお、登録されているテンプレートも対象になるようです。日本語のmuralも検索できますが、動作は少し怪しいです。
削除(Delete mural)
編集中のmuralを削除します。

⑪ナビゲーションパネル(正式名称ではありません)

キャンバスの表示拡大・縮小、移動などを行うことのできるナビゲーションパネルです。ブラウザで表示されている範囲が赤の矩形で表されており、この矩形をドラッグすることで表示範囲を変更することができます。また、上部のスライドで表示倍率を変更できます。

左の手のアイコンは移動モード(Move mode)への切り替えです。移動モードがオンになっているときは、マウスドラッグでキャンバスを移動するだけになります。オフの時もキャンバスの移動はできますが、オブジェクトの上でドラッグしてしまうとオブジェクトが選択・移動することになり、予期しない動作になることがあります。(間違えて移動させてしまった場合にはCtrl+Z(Windows)で戻すことができます。)

「Zoom settings」をクリックするとナビゲーションモードをマウスモードかトラックパッドモード化に変更できます。マウスモードの時はマウスホイールを使用してキャンバスの表示倍率を自在に変更できます。

ここまでの機能で基本的な編集方法はほぼほぼ問題ないかと思います。
次回は今回紹介しきれなかった応用的な機能やコラボ向けの機能について紹介します。